RODA玉田:さて次にお伺いしたいのは、今回、世界大会はポルトガルの優勝で終わりました。清水選手の中でスペイン以外に移籍したいリーグとかは芽生えたりしましたか?
清水選手:そうですね。今、自分がいる場所から他にどうこうというのは特にはありませんでしたけど、僕だけじゃなく他の選手もそうだと思うんですけど、スペイン以外の他の国にも凄い選手というのはいるんですよね。まだまだ知らない選手もそうですし、ヨーロッパでも色んな選手が出てくるんだなって思いました。
僕個人は今は24歳で、20代で世界大会に出れてるんですけど、もっと若く20歳になったばかりの選手も出てますし、世界のライバルとの差を感じられて面白かったです。
今回の世界大会ですと、モロッコの躍進が見れたと思うんですけど、データの無かったモロッコはどういうチームなのか?と調べると、直近の試合だと2日前にブラジルに勝ったという結果(※2021年11月16日の国際親善試合でモロッコは3-1でブラジルに勝利)も出てますし、そういうチームがいるんだと知ることができたのも大きかったと思います。自分達だけではなく、世界にも着実に力をつけて来ているチームが出て来ているんだと知ることができますし、国や地域によってもスタイルが変わってくるというのも知ることができたのは良かったと思います。
世界大会を経て、新たな刺激を貰えました。そんな中でもスペインリーグというのは色んな国から選手が集まってるいるので、世界最高峰のリーグなのは間違いないなと確信はしています。
RODA谷口:今、清水選手から刺激というワードが出て来ましたが、今回の世界大会で一番刺激を受けた選手というのはどなたですか?
清水選手:自分のポジションというのもそうですけど、やはり目指す最終形態みたいな選手はフェラオ選手ですね。それは世界大会を経てやはり感じました。あれだけボールを収められて、点も取れてってなるとチームを助けられるなと思いましたし、全員が全員フェラオ選手みたいになれるわけじゃないんですけど、ボールを収めるという部分で近づけたりというところはあるので、最終形態は彼のような存在になりたいと思いましたね。ただ、そうなるためにはまだまだ色んなことをやらなければいけないですし、課題も出てくるので。でも最終的にはフェラオ選手だと思いました。
RODA谷口:そうなんですね!フェラオ選手なんですね。
清水選手:自分の中ではそうでしたね。あとはアラのポジションの選手だったりになってしまうので、まぁ、やはり自分の目指すべき存在はフェラオ選手でしたね。
RODA谷口:どこが一番凄いと感じましたか?
清水選手:彼がポジションを勝ち取るっていうところで、一対一の接戦で負けてるところをあまり見た事がないんですよね。もちろん、2人に囲まれたら難しいですけれども。
各国にもピヴォの選手がいて、ディフェンス的に大半のピヴォは別にキープされても大丈夫なんですよ。ボールを収められても、その後のアイディアが無いので。ディフェンスで対応できるピヴォは多いんですよ。ただ、フェラオ選手に関しては、収めた後も脅威ですし、フリーで持たせたら彼の間合いになってしまうし、頑張って戦おうとするとクルッと入れ替わられちゃうこともあるので、そこの選択肢の多さはディフェンス側に迷いを生じさせるというか、常に先手を取れていると思いましたね。
RODA谷口:なるほど、選択肢の多さもポイントなんですね。今、アラの選手というのもお話に出ましたけど、僕はブラジル代表を見ていてレオジーニョ選手のファンになりました。ここ最近の選手の中ではステップだったりとかちょっと違うなっていうのが気になるところだったんですけれども、実際に見ていかがだったでしょうか?
清水選手:そうですね。僕の中では特別凄いなという感じでは無かったですね。
そういう意味ではやはりリカルジーニョ選手(ポルトガル代表)の方がすごいですね。対ドリブルとなるといくらでもコースは消せますが、リカルジーニョ選手みたいにどこにでもパスが出せる脅威が加わると、こっちもやはり考えちゃうなって思います。数えきれないぐらい彼の脅威を受けて来ましたけど、レオジーニョ選手に関しては対ドリブルって考えるとなんとか対応できるんじゃないかとは思います。まぁ、彼と同じ左利きで同じような身長となるとスペイン代表のボルハ選手なんかは、一対一のドリブルじゃないにせよ、スペースを見つける能力だったりだとか技術の高さだったりを考えると非常に厄介でしたね。改めて選択肢の多さというのは大事だと思いました。
それでもやはりレオジーニョ選手に関しては次世代の中でもファルカンになれるって言われてるぐらいの存在なので、これからはきっと味方を使った崩しだったりとかも見せてくるようになると思いますので、そうなると怖い存在になりますね。
僕の場合は、コルドバにブラジル人選手が3人いて、彼らからブラジルと対戦するときはどうすれば良いか?というのをあらかじめ聞いていました。個は凄いよねという話をしたんですけれども、彼ら曰く、「今のブラジル代表は過去のブラジル代表に比べて、組織として強くないよ」という話をされて、やはりブラジルは計り知れないなと思いましたね。
RODA谷口:そうですね。確かに選択肢の多さって大切ですね。リカルジーニョ選手のように自分で突破できると思いつつも、相手を引きつけて引きつけて仲間にパスを出せる選択肢も持っているので、やはりそっちの方が怖いですよね。
さて、長い間、貴重なお話をありがとうございました。 最後になりますが、日本のフットサルファンに向けてメッセージをお願いします。
清水選手:世界大会の舞台に日本代表が2大会ぶりに参加したということもあって、たくさんの方から色んなお言葉をいただき、非常に自分たちのモチベーションにもなりましたし、たくさんの人たちが希望を持ってフットサルを見て頂いているんだなと伝わって来ました。
やはり自分たちはそれに応えなければいけないと思って世界大会でもプレーしていましたし、世界大会が始まる前も日本に良いニュースを届けようという想いを持ってやってきました。
大会が終わってからも、世界大会がフットサルを見る入り口になって「出場した選手を見にいこう」というのをSNS上で目にすると嬉しく思いました。
他の体育館競技に比べれば、フットサルってどうなんだ?という色んな声がある中でも、僕らは選手として活動している以上は多くの人たちにフットサルという競技の魅力を伝えていきたいと思っています。
各々の選手が努力して成長していくことも大切ですが、多くの人に見てもらうというのが僕らにとっても非常に嬉しいことなので、フットサルをもっともっと見てもらえるように頑張って行かなければと思いますし、自分たちが大好きなスポーツを広めていくためには日々のリーグ戦、そして代表活動でもっともっとフットサルを見てもらわなければいけないと思っています。
選手としての活動も大事ですけれども、フットサルを普及していく活動というのも同じぐらい大事だなと感じています。なので、そういう活動もやっていきたいと思っていますし、皆さんと一緒に作り上げていくこともできると思っていますので、これからも日本のフットサルファンの人達と一緒にフットサルという競技を盛り上げていければと思います。
RODA谷口:ありがとうございます!僕らもフットサル専門店という形ではありますが、清水選手の熱い想いを多くの人達に伝えていけるよう尽力していければと思います。これからもどうぞ宜しくお願いします!本日は本当にありがとうございました!
清水選手:ありがとうございました!