REAL FUTEBOL GUIDANCE Vol.1

保護者のオーバーラップ感

RODA鶴見
子ども自身のそういう気持ちとは別に、保護者さんのオーバーラップ感みたいなものを最近聞いたりするんですが。前のめりになってしまって子供以上に親の気持ちが出ちゃうような話が。
そういうのってありますか?

BRINCAR古居代表
めっちゃありますよね。

奥村監督
ありますねー。やっぱね。
子供がプレーする度に親の顔を見ちゃうとか。親の評価を気にしちゃっているというか。家帰ってなんか言われちゃうとか。帰りの車中で言われちゃうとか。ていうのはあるんだろうなって。

BRINCAR古居代表
そうですねー。間違いないですね(苦笑)

RODA鶴見
何か伝えたりすることはあるんですか?そういうお子さんに。

BRINCAR古居代表
うちは保護者に説明します。
特にフットサルの全国大会にいくような保護者に対しては必ず保護者説明会でスポーツメンタルについてお話します。

奥村監督
ロンドリーナに関してもそれは必ず阿久津がやっていますね。
(※阿久津氏:奥村氏と同じく神奈川フットサル界のレジェンド、現在は湘南ベルマーレフットサルクラブGKコーチ/ロンドリーナU-15ヘッドコーチ)

BRINCAR古居代表
阿久津さんはもう徹底していますよね。子供に対してそういうことを言う人は言動をやめさせますもんね。

奥村監督
ほんとにそうですね。もう徹底して。

BRINCAR古居代表
うちも結構その話はすごく取り組んでいて、結局はすべて親のためにやっているのではなくて子供たちのためにやっているので。
プレーヤーズファーストでやるために子供たちの自発性と、成長する機会を奪っちゃいけないと思ってるので。保護者の方にはこういった心がけをしてくださいと言っています。
親と子供と指導者、三者が理解をしっかりしないと、子供たちが成長できないと思っています。話はするんですけど、そこはでも、それでも(難しい)ですね。(苦笑)
今年説明したのは、怒りのプロセスだけは覚えてください、と。なんで怒るのかということを自分たちで理解して、なぜ怒ってしまったのかと立ち返ってもらって、その数が10回怒っていたのが5回くらいになれば子供たちのためだし、それが1回でも減るならいいなと思っています。
逆に今は、親に怒ってもいいよって言っています。親もストレス社会で生活していて子供に期待をすごいかけているわけで、自分が依存していることを気が付いていない。それで怒らないでと言ったところで、そんなの無理な話でしょ。怒るでしょって思っちゃうから。だから怒ってもいいと思います。そのほうがもっと気が楽になってお母さん達も楽しく。怒っちゃうから見に行くのヤダ。なんてなったらそれもそれで面白くないし。
理想ではありますけど、世の中に出たら厳しい世界があるわけで、その中でやれるやつがほんとのいい選手でもあるなって思いますし。ここは僕の中で前とは考え方変わったとこですね。前は絶対言うなと言っていました。

RODA鶴見
なぜそのようなシフトチェンジをされたのですか?

BRINCAR古居代表
“楽しさ”ですねやっぱり。
僕らだけ楽しむではなく、子供たちが楽しむ、そして親も楽しまなきゃいけない。みんなが楽しまないと。
親が楽しむ姿をみて子供が喜ぶといったところがあるので。なので僕ら指導者は親も規制しすぎちゃだめだなと。言うことは言うんだけども、その数が減っていけばいいなと。
やっぱり子供に対して依存しすぎないことですね。他人が物事をやらなくても何も思わないけども、恋人、家族、親族になればなるほど期待は上がり対価を求めすぎてしまうから、所有物になってしまって。自分がこんだけ送り迎えしてやっているのに、練習やったらふざけているみたいな。当然怒るわけですよ。他人の親は何とも思わないんですよ、楽しそうだなって。
親にはこんな説明をしていて、だから怒っちゃうと思うんですけどって。そんだけやったから、こんだけ返してくれっていうのは自分のエゴだから、そこは少しでも喜びがかえってきたらオッケーと思って喜んでくださいと。そっちを見るんではなく出来たことを喜びましょう。リフティング5回出来てもすごいって思ってほしい。絶対100回出来ないといけないと思わないで。そんな風に思ってます。

タイトルとURLをコピーしました